認知症が発症した場合、起草した遺言書はすべて無効になるのでしょうか?
ご自身が認知症を発症したとしても、公正証書遺言での起草時に、正常の判断能力があるという医師の判断があれば、その遺言書の有効性が高いと思われます。
ただその後、認知症の進行が進むと、遺言書の作成ばかりでなく、法律行為(契約、贈与、事業承継など)をすることさえも支障が出ることになります。
具体的には、ご自身の財産管理運用、贈与、ご自宅の補修の修繕契約、介護施設の入所契約、銀行取引(借入、振込、定期預金の契約、解約)、保険契約などです。これらの契約は基本的にご家族の方でも本人に代わって出来ません。その場合は成年後見人制度などを利用することになります。次回は成年後見人制度について掘り下げてみていきましょう。